2012年11月 の記事一覧

"今"が"未来"へ繋がる -こころの健康フォーラムに参加して

昨日、11月10日(土)にサンシップとやまにて行われました、富山県主催のこころの健康フォーラム
 (KNB NEWSさんの記事と動画もあります → こちらをクリック)
日本ピア・カウンセラー協会は、9月に行われました「つながろう、心と心。フォーラム」に引き続き、2階の民間支援団体ブースに出展させていただきました。

今回は
【ひきこもりは一人で悩まず、家族だけで抱えず、現代の社会問題としてみんなで考えませんか】
というテーマを主体に、お笑い芸人のなだぎ武さんのトークショーや、ひきこもり経験のあるフリースクールの生徒さんの生のお話を混ぜながらの色んな立場から見てのパネルディスカッションなどが行われました。

最近ニュースで大きく取り上げられているのもあり、いじめを経験→ひきこもり、っていう関連性をよく目にしますが、ひきこもりの方々には、いじめ問題でそうなざるを得なかった人の他にも、各々「何か」ひっかかりがあって、いつの間にか世間で言われるひきこもり状態になっているという方々で溢れていると思います。また、ご本人はひきこもりだと思っていないという場合もあるでしょうし、何か(原因となる問題)が「あって」ひきこもるようになったわけでなく、何か(病気など)に「よって」どうしてもひきこもるような生活になっている人々もいると思います。その両方が合わさったケースの場合もあると思います。

ひきこもりになったご本人の苦しみは人知れず、とてもとても言葉で表現できない辛さでしょう。
ご家族は、どうして・・・?と思ったり、これからどうしたらいいの?っていう不安でいっぱいな気持ちと、そしてやるせなさでお困りになる方と思います。

そんな方たちにとっては、今回のトークショーやパネルディスカッションはすごくこれからのヒントになる、お話しがいっぱい出てきたかと思います。
私自身も共感できるところもありましたし、勉強になるなあと思うところも多々ありました。
その中でも、私が印象的だったところをいくつか挙げたいと思います。


自分の好きなものをみつけ、大切にすること
これはすごく単純で簡単なことのように思えて、なかなか難しい、です。

特にひきこもってて、自分のやりたいことなんて見つけれない時、もっと言うとどうして自分自身が生きてるかも分からない状態の時に、そんなものが考えれるわけがありません。でも、皆、今まで生きてきた中ですごく興味関心を持っていたものや何か好きなものっていうのは、ひとつはあるはずです。それは人それぞれ違うのは当たり前で。しかし、なにか「好き」って言えるものをみつけたら、その好きなものを見たり聞いたりやってみるという体感によって、楽しい!っていう気持ちがじわじわと感じられ、次の機会にもまたしたいという意欲が向上し、生きてる中での喜びや楽しさが増えていくと思います。
残念ながら、なかなかそういう好きと言えるものが見当たらないな~と思われる方は、今、その自分の好きなものを探している最中なのかもしれませんし、実は自分で自覚していないだけかもしれません。また、なにか手当たり次第、身近にあるほんの些細なことをちょっとやっていく内に、「これができたなら、次はこういう風にやってみたいなあ~」という気持ちが湧いてきて、視野が広がるだけでなく、そこから自分の興味の持てるものができていくかもしれません。

そして、どうかご注意いただきたいのは、その人の「好き」なものに対しての気持ちを周りの人も大事にしてあげて下さい。自分が理解できないことでも、その人にとっては大事な大事な生きがいです。それを全面的に否定されるのは、つまり、大事に育ててきて綺麗に咲いた花を根こそぎ奪われるようなことであり、その人自身を深く傷つける行為になってしまいます。


強要しないで見守る
これは特に、当事者のご家族の方々に気をつけていただきたいことです。

ご家族の方々も、ご本人さんのことをひどく心配してこそ何かしらアクションをせねばならない!という気持ちになられるのでしょう。でも、その焦りは当事者の方に敏感に即伝わってしまい、当事者自身はそれを受け、同じく焦ってしまいますし、その期待に沿うことができない自分への劣等感や罪悪感に苛まれ、さらに気持ちが沈みこむ可能性が大きいからです。でも、どうしても家族であるが故に、何かしたらいいのではないかと考えて、口出ししたりちょっかい出したりしてしまいがちだと思います。
当事者本人でなければ、それが良いか悪いかはケースバイケースではありますが、あまり良い例とは言えません。
やはり当事者も当事者で思うことがあって、ひきこもり状態になっていますし、無理になにかしても「させられた」という気持ちが大きく、自主的なものではないので長続きしないことが多いと思います。

ダイエットと一緒ですぐに結果は出ないと思います。
辛抱強く、辛抱強く、見放すのではなく、少しずつの変化を気にしつつ、様子を見守ってあげて下さい。
その中でタイミング(というのはこれまた難しいですが)を見計らい、ちょっとした良い刺激になる言葉やちょっとした会話を与えてあげるといいと思います。


環境の変化で気持ちが変わる
"ひきこもり"という言葉の通り、当事者の方々は家、それも自分の部屋にずっと閉じこもっておられます。
その方たちに、いきなり「環境の変化」といっても、無理に思われるかもしれませんし、上記では強要することはよくないと言ったばかりなので矛盾しているように感じられるかもしれません。

ですが、ひきこもりの方々の中には、
自分の気持ちを理解してくれる人がいない、相談や話を聞いてくれる相手がいないといったような理由で外出できないし、外出しても行く場所がないから外出できないという人も多いかと思います。

しかし、今はありがたいことに昔よりも、ひきこもりの方々に対し、理解し受け入れて下さる支援団体さんが多くなりました。というよりも、ひきこもりに関わらず、その人その人の個性を大切にし活かせるように助っ人して下さる支援団体さんが増えたと思います。
(日本ピア・カウンセラー協会も、その中の一つの団体としてお役に立ちたいのです。)

ですので、突然この混沌した社会に飛び出せ!っていうわけではなく、そのご本人にあった支援団体を多いに活用していただけたら良いと思うのです。そこで、自分がひきこもっていた中で考えていたことやご家族の考えとはまた違う、第三者の視点や思考を聞いたり、同じ境遇の方に出会ってお話することによって、自分の中や家庭内で凝固まってしまっていたものがほぐれ、新しい考え方をすることができることもありますし、やっぱりここの部分は譲れないっていう自分の意思の再確認をすることもできると思います。要は、発見の場です。

また、そこに何度か通いつめることにより、自分自身を閉じ込めていた殻が、少しずつ少しずつ剥がれていき、素の自分をオープンにできるようになっていくと思います。


以上の3点が、
特に今回私の心に残ったため、個人の考えも多少ありますが、書かせていただきました。

あともう一つ、最後に。
トークショーにて、なだぎさんは
 「現在はひきこもってても、外に出なくても、人とつながりが持て、情報も得てしまい、買い物もだいたいでき、
  それが逆に状況を悪化しているのではないだろうか?

というようなことを仰っておりました。
もう私はごもっともな意見だなあと思い、首をひたすら縦に振っておりました。
携帯電話やインターネットの普及、さらにその中でもソーシャルメディアサービスの発展により、人と顔を合わせなくても、気軽に色々な話をできるという環境ができています。それが悪いことだとは思いません。でも、それオンリーになってしまうのは、とても危険なことであると感じます。

文字のみでは、すべての感情が伝わるわけではありませんし、どんな綺麗な感じにでも書けます。
"言霊"っていう、言葉があるように、人に会い、その人と顔を合わせて口に出してみることで、伝わるものが多々あります。それはその言葉を口に出すまでのその人の間、表情、雰囲気、感情などです。
私たちのピア・カウンセリングが、対面方式を行っているのは、そういう点も含めてなのです。
ですので、皆さん、どうか情報化社会と言われますが、それのみに頼らず、人と会い話すことを大切にして下さい。



去年も同じように、この時期に行われました富山県主催のフォーラムに一般人として参加させていただきましたが、今年もあっという間に時間が過ぎる中で、多くのことを学び、考えさせられましたし、改めて思いなおすこともありました。このような機会を設けていただけ、すごく感謝しております。
と同時に、日本ピア・カウンセラー協会としても、こういう機会を設けたり、さらに活動を活発にしていくことにより、様々な悩みを抱えている方の助っ人ができるようにしたいと改めて思いました。


(kuma)
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